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2024.12.27
お知らせ

高校生が分子生物学会で研究発表!

琉大カガク院第二段階生の一戸風菜さんが,福岡で開催された分子生物学会で研究成果を発表しました.詳細は以下の通りです.

1.発表日:

 2024年11月29日

2.学会名/発表場所:

 分子生物学会 マリンメッセ福岡A館・福岡市・福岡県

3.発表タイトル:

 炎症性疾患治療薬の開発への基礎研究

4.発表者:

 一戸 風菜, 今井 大達,山下 暁朗

5.研究発表内容の要旨

TNFAやIL-6は炎症を引き起こすホルモンです。これらのホルモンは、感染症防御に重要な免疫の働きを促進します。一方で、これらのホルモンが働きすぎると、過剰な炎症を生じ、これにより、さまざまな炎症が関わる病気を発症します。炎症が関わる病気として、関節リウマチなどがあります。炎症が関わる病気の治療において重要な役割を果たす薬として、TNFA阻害薬やIL-6阻害薬が使用されています。これらは、タンパク質を主成分とする薬で、注射が必要であったり、値段が高いなどのデメリットがあります。そこで、私たちは、TNFAやIL-6のmRNAレベルでの制御に関わる酵素に着目しました。私たちは、この酵素を活性化する可能性が高い低分子化合物を特定しました。そして、次世代シークエンス法を用いて、この化合物が炎症に関わるmRNAの発現を抑制することが出来ることをつきとめました。これは、新しい抗炎症薬開発につながる成果です。

6.発表者した受講生のコメント

 研究の基礎知識や実験に難しさを感じる場面もありましたが、研究を進める中で知識を吸収することができ、研究の楽しさを感じました。学会では、研究者の方々から様々な意見やアドバイスを頂き、とても良い経験となりました。参加前はかなり緊張しましたが、学会は交流の場であるということを感じられ、発表を楽しむことができました!

7.指導者教員コメント(山下 暁朗 琉球大学 大学院医学研究科 教授)

 一戸風菜さんは、自宅での学習、研究室での実験、得られた成果の解釈と発表用ポスター、プレゼンテーション作成に主体的に取り組みました。これらの結果、抗炎症薬候補分子が、少なくとも培養細胞レベルでは、抗炎症作用を有することを世界で初めて実験的に示すことに成功し、その成果を国内最大の学会の一つである、分子生物学会で発表することが出来ました。